行政のデジタル化とマイナンバー

会社の設立準備(本日完了しました)を進めています。初めてのことは新鮮な発見や気づきがあって楽しいですね。
本日は行政のDXの体験記です。今までも総合行政ネットワーク(LGWANなど技術系に関心は持ってましたが使ってみた振り返りです


今まではマイナンバーカードもどんな使い道があるのかと思ってましたが、うまく活用すれば便利に使えそうです。
ただ、普通に企業に勤めているとそんなに恩恵がないかもしれません。私自身、保険証の統合も行っていませんでしたが、今後のこの可能性を考えると保険証だけでなく免許証など願わくば電子カルテなどが紐づいてくれると(調べてみると昨年から活用に向けたシステムの開発がスタートしているようです)便利そうです。
普及に向けてはやはり所持者のマインドチェンジが大切に思います、理解と利用者が増えないと予算確保も難しいですから。


いろいろありましたが感じたこと4点
1.マイナンバーカードの可能性
2.政府の電子化の取り組み
3.士業のAI化の影響
4.個人もDXへのマインドチェンジが必要

1.マイナンバーカードの可能性

マイナンバーカードの機能として大きく二つあります
1.公的個人認証 利用者証明
2.公的個人認証 署名

私も含めてほぼ1の利用が大部分になっているのではと感じます。これも必要なものではあるのですが、今回可能性を感じたのは2の部分、政府が全国民に公的な電子証明書を発行するという大盤振る舞いです。
GoogleのGeminiさん(Google AI)に聞いてみると全国民に発行している国は
・ベルギー:2004年からIDカードに署名用電子証明書を格納
・エストニア:2002年からIDカードに署名用電子証明書を格納
・フィンランド:2003年からIDカードに署名用電子証明書を格納
・韓国:2004年から国民皆保険証に署名用電子証明書を格納
・シンガポール:2004年からSingPassに署名用電子証明書を格納
の5か国

利用者認証+一部電子署名がデンマーク:2005年からNemIDというオンライン認証システムを導入
ドイツ:2011年から電子IDカードを導入
イギリス
アメリカ、カナダは電子署名の有効性について法整備ができた段階でまだ、普及という段階ではないようです

人口の規模で考えると日本がダントツですね。まだ利用するシーンとアプリケーションが少ないですが電子署名[PKI基盤](できればSSOも)によるDXは今後の展開が楽しみです。
# 署名が付与できるアプリケーションが少ないのがたまに傷
# 以前はReader向けのOSSも出ていましたが現在はAcrobatProを使うしかなさそうです

2.電子政府の取り組み

今回、登記にあたり当初は法務局の出張所への持ち込みを想定していました。手続き完了までのリードタイムを考えると11日の朝いちばんで持ち込んでも手続きの完了が24日と約2週間かかるようでした。費用の発生を抑えたために多少の時間がかかるのはしょうがないと割り切っていましたがこの2週間は痛い!早々に短縮方法を調べてみると法務局のオンライン申請があり基本24時間以内で手続き完了という素晴らしい方法がありました。

ただ、前提がいくつか
a.マイナンバーカードを所有していること
b.登記・供託オンライン申請向け専用のアプリケーションの導入
c.NFCのリーダーが必要
d.マイナンバーの署名用パスワードが必要

さて、今回の体験と振り返り(はまったポイント)
a.はクリア(のはずだったが落とし穴が)

d. 個人認証用のパスワードは印鑑証明や住民票の発行時に利用していたので覚えていたのですが署名用のパスワードが怪しい。スマホにマイナンバー向けのアプリケーション(JPKI利用者ソフト)を導入してチェックするも5回間違えてロックがかかる、パスワードリセットの方法を調べると市町村の事務所に行くかコンビニでリセットが可能とのこと。

ただし、コンビニでリセットを行うには予約番号が必要でJPKIのリセット予約のアプリ(JPKI暗証番号リセット)からリセット予約を行う必要があるということでリセットアプリを早々に導入。これが夜間だったためマイナンバーカードの画像認識や顔認証でエラーが続出し苦戦、何とか予約を行い近くのコンビニでリセットを試みるもサービス時間外で初日は撃沈しました。
翌日(リセット予約の有効期間は24時間)早々にリセット操作を行い再度JPKIアプリで確認するもなぜかエラーに?
利用者認証用のパスワードは問題なく変更が可能?
頭の中に??????が
朝も迎えたので区役所の出張所で個人認証用、署名用ともにきれいにリセットしました。係りの方に確認してもらったのですが特にエラーらしきものも記録されていなかったようです。

b.は導入してIDを法務局のサイトに登録し利用手続き完了。 (が、こっちも落とし穴が)
よく作ったとは思いますがマニュアルの分量が膨大で申し訳ないですが手続きごとに分かれているのですが読みやすいとは言えない感じがしました。この分量を維持管理するだけでも大変そうな気がします(経緯依存と技術負債)
よく読まない私が悪いのでしょうがだいぶ格闘しました。
サービス時間を理解していなかったため作成途中で接続が終了し翌日再入力しました(あとから気づきましたが検索方法が悪かっただけできちんと保存されていました。ソフトウェアーの仕様は正しい)

c.以前にSuicaのチャージ用に使っていたNFCリーダーがあったためこちらを流用。PC(Windows11)につないでみるも認識せず
PCの問題か、リーダーの問題か、アプリの問題かわからないので情報を集めながら切り分け、Wiondows版のJPKI利用者ソフトをインストールしてチェックするもやはり認識しない。JPKIのサイトを見るとスマホをリーダーにする方法も出ていたのでそちらでトライ(こっちも落とし穴が)スマホとPCをUSBケーブルでつないで試してみるがやはり認識しない!

改めてNFCリーダーの型番からサポート状況を確認するとドライバーを削除して再インストールが必要なことが判明、再起動が必要になるので作業中のものを一旦かたずけてドライバーの削除、再起動、再インストールを実施、検証用のアプリで確認すると問題なし。やっと環境が整いました。
(スマホをリーダーとして利用できなかった理由ですがBluetoothではなくUSBでつないでいたからでした、お約束のペアリングもはまりました、、と思い込みと勘違いが続出)

ここまでくればあとは申請請求書を作成して署名して送信するだけです、親切にHelpやガイドやマニュアルもあるのですが専門用語がわかりにくいですね、1時間で終わるかと思いましたが3時間強かかってしまいました。申請を作成し、署名を行い、、、添付書類への署名がない! 改めて添付書類に署名を行い申請書も署名そして送信、ほどなくして「受付が完了して登録免許税の納付メッセージが届きオンラインバンキングで支払いを済ませて申請作業を完了しました。24時間以内「完了か補正の連絡が入るはずなのでドキドキしながら連絡を待ちます。
翌朝、出かける準備をしていると携帯に法務局から電話”オンライン申請の登記内容には問題なかったが、免許税の軽減措置の申請は自治体発行の原本が必要”との連絡、急ぎ原本のコピーを取り法務局へ(本当は14時以降でと言われたのですが午前中に対応いただきました。また窓口でそのほかの手続きも丁寧にご説明いただきましたTさんありがとうございました)

今から考えれば、、、なところもありますが
申請から24時間程度で登記申請が完了し法人番号が発行されました。

古い慣習が残っているために専用のアプリケーションが必要だったり、一部電子化されていないものがあったりするところは残っていますが確実に行政のDXが進んでいると身をもって感じました。やはり実際に使ってみることが大切だと思います

法務局ではありませんがe-GOVで申請可能な手続きは今年の6月30日時点で5,876件にも及ぶそうです

3.士業のAI化の影響

さて、少し話は変わって登記にあたり通常は行政書士、税理士、社会保険労務士、公認会計士(規模による)などの支援が必要になります。電子政府の取り組みで仕組み上は支援がなくてもできるようになってきているように感じました。しかしながら専門用語などが多く1度だけのために覚えたり環境を整えるのは時間に余裕があれば別ですが専門家に委ねたほうが効率が良い気がします(当然士業の皆さんがDXしてオンライン対応するのが前提ですが)

士業の資格をお持ちの方はLLMなどの影響はそれほど受けないかもしれませんがスタッフの皆さんはかなり大きな影響を受ける気がします(染まるか、変えるか、やめるか)。皆さんの対応はどうでしょうか?

4.個人もDXへのマインドチェンジが必要

今回、行政書士さんから登記書類を1式受け取ってから申請まで約24時間、申請から登記完了まで約24時間でした。

行政の対応については過去のしがらみからバリエーションや例外も多い中、目的・目標をもって進めていて。利用者との約束(SLA)で定義している24時間を守るべく努力していることを感じました。見習うべき点が多いですね。

知識は持っているが興味を持っていなかった個人のデジタル化が遅れていることに気が付きました、改めて振り返って環境の変化に追従していく準備を整えていこうと思います。

皆さんの準備はいかがですか?

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